借地権の基礎知識

借地権の名義変更の手続きのポイント・注意点は?~相続・贈与のケースを解説~

借地権の名義変更が必要になるケースはいくつかあります。それぞれのケースで「自分の場合、どんな手続きをすればいいのか」と悩むことは多いでしょう。

この記事では、借地権の名義変更が必要になるケースの中でも、特に多い下の2つのケースについて解説します。

また、すべてのケースに共通する知識として、下の2点も解説します。

この記事を読んでいただくことで、借地権の名義変更の要点を、深く理解していただけるでしょう。

借地権の名義変更とは

不動産について話し合うイメージ

まず「借地権の名義変更とはどのような手続きか」をまとめると、下のようになります。

以下、それぞれ詳しく説明していきます。

ほとんどは「建物の名義変更」を指す

借地権の名義変更とは、ほとんどが「建物の所有権の名義変更」となります。理由はほとんどの借地権は登記されていないためです。

不動産には「登記簿」がありますが、あれに「○○さんの借地権」という登記はないのです。「建物の所有権」の登記が、借地権の代わりになっているわけですね。

このため、借地権の名義変更イコール「建物の名義変更」となるのです。

なぜ建物の登記が借地権の登記になっているのか

これは下のような理由です。地主がAさん、借地人がBさんとします。

  • 土地はAさんのもの(登記簿でわかる)
  • 建物はBさんのもの(これも登記簿でわかる)
  • つまり、Bさんは「Aさんの土地に建物を建てている」
  • 無断でこんなことをできるはずがない
  • よって「AさんはBさんに土地を貸している」といえる

上記のように、法務局が推測するわけです。実際、これ以外の可能性はありえないでしょう。他のパターンにしても「AさんとBさんの間に何らかの合意がある」のは確かです。

このため、建物と土地の名義が違うときは「両者の間で借地権の契約がある」と見なされるようになっています。このため「建物の登記=借地権の登記」とされるわけです。

まれに「借地権自体」が登記されていることもある

上に書いた通り「ほとんどの借地権は登記されていない」「建物の登記で代用されている」というのが現実です。しかし、まれに「借地権自体を登記している」ケースもあります。

これは借地権を担保にして住宅ローンなどの融資を受けるケースです。この場合、ほとんどの金融機関が信用の証として「登記があること」を要求します。

(借地権を担保とした融資については、下の記事で詳しく解説しています)

発生するのは「売買・相続・贈与・財産分与」のとき

借地権の名義変更が発生するのは、主に下の4つのケースです。

  1. 売買(譲渡)
  2. 相続
  3. 贈与
  4. 財産分与(離婚)

売買では、売主から買主に名義が移動します。相続は親から子、旦那さんから奥さんなど、相続人となる家族に対して所有権が移ります。

贈与は「無償であげること」です。譲渡と混同されがちですが、譲渡は不動産用語では「売却のこと」なので注意してください。

(借地権の贈与については、下の記事をご覧ください)

財産分与とは

財産分与は、離婚するときのものです。財産分与は、片方に落ち度がなかった離婚でも必ずあります。「夫婦の財産は共有のもの」とされているためです。

よく混同される慰謝料ですが、これは片方に離婚の原因があった場合に、その悪い方が払います。たとえば浮気・不倫などです。

離婚では慰謝料は発生しないこともありますが、財産分与は必ず発生します。そして、借地権も財産分与の対象になるということです。

借地権(付き建物)があっても、必ずしもそれを財産分与するとは決まっていません。たとえば預貯金は奥さん、借地権付き建物は旦那さんがもらうという分与のやり方もあります。

相続における借地権の名義変更

白人の老夫婦と弁護士

借地権の名義変更をする代表的なケースの一つが相続です。相続での借地権の名義変更についてポイントをまとめると、下のようになります。

以下、それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。

相続が発生したら、すぐに名義変更手続きをする

親御さんが亡くなるなど、相続が発生したらできるだけ早く借地権の名義変更をする必要があります。特に期限はありませんが、相続税の申告・納税の期限が10カ月なので、それより早くしなくてはいけません。

名義変更の承諾料を、地主に払う必要はない

相続によって借地権の名義変更をする場合、地主の承諾を得る必要はありません。そのため、地主が承諾料を要求してきても、支払う必要はないのです。

たとえ契約書に書かれていても支払い義務はない

承諾料の支払いについて、一部の地主がよく主張するのは「契約書に書いてあるから支払い義務がある」というものです。しかし、こうした契約書の条項(特約)は無効です。

借地借家法や民法も含め、あらゆる法律は法律のルールより一方が明らかに不利になる契約は、たとえ双方が合意していても無効となるのです。労働基準法を例にとるとわかりやすいでしょう。

昔の奴隷労働のような契約内容だったら、いくら双方が合意しても、無効となるのが当然です。同じように「借地借家法や民法の基準に反する」といえる内容なら、それは契約書で合意されていても無効なのです。

そして、相続での承諾料の支払いは、明らかにその「無効なもの」に該当します。このため、地主がどのような主張をしても、支払う必要はありません。

相続が発生したことは、地主に連絡しておくべき

名義変更について地主の許可が必要ない以上、連絡の義務はありません。しかし、人間の心情的に、やはり連絡しておく方がいいでしょう。

「借地人の死亡」というのは、地主にとってもそれなりに重要な出来事です。たとえ親しい間柄でなかったとしても、それを知らされず「蚊帳の外」に置かれるのは、あまりいい気分ではないでしょう。

連絡すれば「落ち着くまで地代の支払いを待ってくれる」などの対応も期待できるかもしれません。また、そのような物理的・経済的なメリットがなくても、やはり一般的な礼儀として、相続が発生したことは地主に伝えるべきです。

借地権も相続税の対象になる

承諾料は必要ないものの、借地権の相続は「相続税の課税対象」になります。ただし、実際に課税される人はほとんどいません。

理由は「最低でも3600万円までの財産は非課税になる」ためです。相続税には基礎控除というルールがあります。

この基礎控除は下のような計算式になっています。

3000万円+(600万円×相続人の人数)

相続が発生するということは、相続人は最低でも1人はいます。つまり、カッコ内は600万円以上になります。この合計で「3600万円」までは確実に非課税なのです。

たとえば遺産が5000万円ある人だったら、そこから3600万円が引かれて「1,400万円」が相続税の課税対象になるということです。

相続時に名義変更をしないとどうなるか

これは特に大きな問題にはなりません。相続税が発生するほどの財産であれば問題になりますが、相続税が発生しない程度の金額なら、名義変更をしなくてもトラブルは起きません。

後々、借地権で融資を受けるときは名義変更が必要

相続した時点(両親・祖父母などが亡くなった時点)では、名義変更は不要でも、後々必要になることもあります。それは「借地権を担保にして、銀行などから融資を受けるとき」です。

先ほど「借地権が登記されているケース」でも説明しましたが、借地権で不動産担保ローンを利用するときは、登記が必要になります。もし、後々こうした融資を受ける可能性があるなら、相続の段階で登記しておく方がいいのです。

登記が遅れたことは登記簿でわかり、不利になる

なぜ早めに登記すべきかというと、いつ登記したかが登記簿でわかるからです。あなたが銀行の融資担当者なら「親の死後数年経ってから名義変更をした」という人は、あまり信用できないでしょう。

「ショックで何も手に付かなかった」という可能性もありますが、それでも数年は長いです。また、同じように「今度は母親が死んでショックで仕事ができなかった」などとなると、返済してもらえなくなる可能性もあります。

肉親が亡くなるなどすれば誰でもショックですが、相続税の期限が「10カ月」となっています。これは、国も「どれだけ悲しくても10カ月以内には必要な手続きをできるはず」とみなしているということです。

このため、登記が10カ月以上遅れていることについては、よほどの事情がない限り「言い訳」ができません。後々融資を受けるときに、これが原因で審査に落ちる、あるいは「融資の金額を減らされる」という可能性があるのです。

(あるいは金利が高くなるなど、何にしても「不利な契約内容」になります)

このような可能性があるので、たとえ相続税が発生しなくても、10カ月以内には名義変更の手続きをするようにしましょう。

「建物の名義変更」だけでいい

なお、親が借地権の登記をしていなかった場合、その登記までする必要はありません。あくまで建物の名義変更のみでOKです。

融資を受けるときの「借地権の登記」は、融資を申し込む段階で初めてすればいいものです。ほとんどの借地権が登記されていないことは、銀行の側もよく理解しています。

贈与における借地権の名義変更

鍵を手渡すイメージ

借地権を贈与する場合の名義変更について、ポイントをまとめると下のようになります。

以下、それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。

無償・格安の名義変更はすべて「贈与」となる

借地権(付き建物)を、無償・格安で誰かに譲ると、それはすべて「贈与」となります。相手が家族でも他人でも、人間でなく法人であっても同様です。

注意すべき点は「無償」だけでなく「格安」でも贈与になることです。

なぜ「格安」も贈与になるのか

これは、割引した分のメリット(特典)をプレゼントされたといえるためです。その「特典」が贈与されたと見なされます。

「別にプレゼントくらいしてもいいではないか」と思うかもしれません。これはその通りで「年間110万円までは非課税」となるのです。

1人につき「年間110万円」までは非課税

当然ながら、すべてのプレゼントが課税対象になったら、世の中は贈与税で溢れてしまいます。このため、贈与税は「1人あたり年間110万円までは課税しない」というルールになっています。

別の人からもらったものも合算される

このときの注意点は「別の人からもらったものも、すべて合計される」という点です。たとえばあなたが1年間で、Aさん・Bさんから60万円ずつもらったとしましょう。

このとき、個別にもらった金額では110万円を超えていません。しかし合計では120万円となり、10万円オーバーします。このとき10万円分に対して課税されるのです。

もっとも、10万円に対して税率をかけるだけなので、課税はほとんどありません。ただ、このように「別人からもらった分もすべて合計される」という点は注意してください。

(別人とは、自然人だけでなく法人も含みます)

分散して贈与する「暦年贈与」のやり方

上記の「110万円ルール」があるため、借地権の名義変更を無償でする(贈与する)ときは「暦年贈与」という方法を使います。「毎年110万円ずつ贈与する」というだけで、やり方はシンプルです。

借地権をどうやって110万円ずつにするのか?

これは贈与契約書で「そのように書く」だけです。建物のどのくらいの面積が110万円になるかは明確な基準がありません。

しかし、大抵の場合は「等分」します。たとえば660万円の評価額の借地権(付き建物)なら、6分の1の面積を贈与すればいいわけです。
毎年登記しなければいけないのがデメリットではありますが、贈与税の節税対策としてはもっとも有効で、広く使われている手法です。

わざと110万円をオーバーする方法もある

税理士によっては、この暦年贈与をするときに「わざと110万円をオーバーする」という方法を指導することもあります。111万円や120万円などの金額を贈与するのです。

こうすると、わずかに贈与税が発生します。しかし、1万円や10万円にかかる税金など、ほとんど微々たるものです。つまり、納税の負担はほとんどありません。

税務署に「分散して贈与してきた事実」を証明する

この方法の目的は、贈与を税務署に知らせることです。「突然一気に贈与したのではなく、毎年こうやって少額ずつ贈与してきましたよ」ということを伝えます。

これにより、贈与が完了した後で税務署に疑われることがないのです。毎年の納税記録があれば「なるほど、暦年贈与をしていたのか』と、すぐに納得してくれます。

一方、このような履歴がなければ「10年前にAさんのものだった借地権が、何で今Bさんのものになっているんだ?」「贈与税を払ってないぞ、Bさんは」と言って疑われるわけです。

疑われても疑惑は晴れるが、手間がかかる

暦年贈与を確かにしてきたのであれば、疑われても疑惑は晴れます。不動産の登記簿を見ればすぐにわかるためです。

しかし、とりあえず税務署に「一瞬だけ目をつけられる」ことは確かです。その人が会社経営者や投資家など、もともと税務署にマークされやすい職業であれば、それを機に「その年の税務調査を受けることになる」という可能性もあります。

このように余計なリスクを増やすことがないよう、あえて少額ずつ納税しておくといい、ということです。ただ、これは「絶対にやらなければいけない」ことではないので、面倒だと感じたらやる必要はありません。

(110万円以下の贈与なら、申告自体しなくていいため、この方がいいともいえます)

借地権の名義変更での必要書類

書類と不動産のイメージ

借地権の名義を変更するときに必要な書類は、下の一覧の通りです。

以下、それぞれどのような書類かを解説していきます。

登記原因証明情報

これは「何が理由で借地権の名義変更をするか」によって異なります。理由ごとに書類の名前を書くと、下記の通りです。

売買(譲渡) 売買契約書(譲渡契約書)
贈与 贈与契約書
相続 遺産分割協議書
財産分与 財産分与契約書

一言で言うと「契約書」といえます。「このような理由で名義変更を申請します」「その理由が発生した証明は、この契約書です」ということを、法務局に伝えるわけです。

つまり、登記原因とは上の内容でいうと、売買・贈与・相続・財産分与が該当します。証明情報とは「契約書・協議書」のことです。

契約書・協議書の書式は自由

上記のいずれの契約書・協議書にしても、書式や書き方は自由です。インターネット上で、無料のテンプレート・雛形が多く公開されているため、それらをダウンロードして使うのがいいでしょう。

詳しくは下の記事をご覧ください。

登記識別情報(登記済証権利証)

登記識別情報は「その不動産の所有者であることの証明となる情報」です。より簡単に書くと「不動産のパスワード」といえます。

パスワードという表現は大げさではなく、本当にパスワードのように英数字が並んでいます。実は、この英数字さえ知っていれば、他人があなたの不動産を乗っ取ることもできます(難しいですが、不可能ではありません)。

登記識別情報のIDは、絶対に人に教えてはいけない

普通のパスワードと同じで、登記識別情報で重要なのは「紙」ではなく「IDの英数字」です。たとえば悪人があなたの不動産を乗っ取ろうとした場合、「登記識別情報はなくしてしまったけど、IDはメモしたので覚えている」と、法務局で手続きを進める可能性があります。

法務局もこうした詐欺の手口に対しては警戒するため、決して簡単ではありません。しかし、登記識別情報を知られた時点で、勝手に名義変更をされるリスクがかなり高まるのは事実です。このため、登記識別情報は絶対に誰にも知られないようにしてください。

(IDが見えないように貼られている目隠しシールは、剥がさないでそのままにしておくのがいいでしょう)

住所証明情報(住民票・戸籍の附票など)

住所証明情報は「住所証明書」とも呼ばれます。これは下のような書類です。

一般的には住民票が使われるため「住所証明情報=住民票」という説明も多く見られます(それでも間違いではありません)。

法務局の説明

住所証明情報が上の3つの書類であることについて、法務局は下のように説明しています。

具体的には自然人の場合は 住民票の抄本又は戸籍の附票の写しになります(なお、印鑑登録証明書の住所の記載を,住所を証する情報とすることもできます) 。
また、法人の場合は、登記事項証明書を提供することになります。
「住所証明情報」とは、どのようなものですか?(法務局)

太字部分に「住民票抄本・戸籍の附票の写し」と書かれています。また、その少し後ろに「印鑑登録証明書でもいい」という内容が書かれています。

なお、法人は「登記事項証明書」という内容です。

住民票の抄本とは?謄本とは違う?

住民票の抄本とは、家族の中で自分の情報だけが書かれたものです。家族とは、より正確にいうと「世帯」です。

一般的に、住民票で同じ家に住んでいる家族・親族などを「世帯」といいます。住民票の「謄本」では、この世帯全員の情報が記載されています。

しかし、不動産の名義変更で家族の住所証明は関係ありません(奥さんならともかく、小さい子供の情報などはまったく関係ないでしょう)。

このため、借地権の名義変更では「家族の住所証明はいらない」のです。「自分の住所証明」だけがあればいいので、住民票では「謄本でなく抄本」となります。

もちろん、謄本の方が詳しい情報が書かれているので、謄本でもかまいません。しかし、不必要に家族の氏名や生年月日などの情報を、法務局の人に見せる必要はないでしょう。このため、抄本を出すのがベストなのです。

「戸籍の附票の写し」とは?

これは「住所の変遷も記録されている戸籍」です。戸籍と住民票は違います。住民票は住所を記録するもので、戸籍は「日本国民としてのID」のようなものです(平たくいえば「戸籍=国籍」です)。

このため、戸籍には現住所が反映されていません。引っ越しをしたことがない人なら反映されていますが、引っ越した人は「昔の住所のままになっている」ことがよくあります。

これは比較的有名な話ですが、戸籍に書かれている「本籍」は、日本中のどこでもいいのです。皇居の住所を本籍にしてもいい、という話を聞いたことがある人も多いでしょう。

このように、戸籍は本来「住所がまったく関係ない」ものです。これを補うため「住所の変遷を記録した」ものが「附票」です。

「写し」とは

これは「役所でもらう状態」です。コンビニのコピー機などで複写する「白黒コピー」ではありません(もちろん、カラーでもダメです)。

写しというのは、私たち一般人のイメージでは「原本」というべきものです。それがなぜ「写し」と呼ばれるのかというと、元のデータは役所が保管しているためです。

私たちが日常使う書類では、いわば「ワードファイル」を役所が保管しています。それを「印刷して窓口で渡してくれるもの」が、写しということです。

なお、コンビニなどのコピーでいい場合は「写しのコピー」と書かれます。借地権の名義変更ではこのようなことはありませんが、もっとゆるい手続きなら「写しのコピー」でいいこともあります。

印鑑登録証明書

印鑑登録証明書とは「印鑑証明書」のことです。印鑑証明書にも住所が書かれているので、先に引用した法務局の説明どおり、住所証明情報としても使えます。

ただ、借地権の名義変更では、住所証明書として印鑑証明書を使うのはおすすめできません。理由は下記の通りです。

  • 実印の効力の証明で、別途「印鑑証明書」が必要とされている
  • その印鑑証明書と並んで「住所証明書」と書かれていたら、通常は「別の書類」の方がいい
  • 多くの手続きでは、実際に住民票や戸籍の附票の写しが使われている

上記のように「厳密な定義とは関係なく、実際に印鑑証明書以外の書類が使われている」というのが理由です。中には「印鑑証明書でOKだった」という体験談もありますが、逆に「ダメだった」という体験談もあります。

どうなるかわからない以上、念のために住民票か戸籍の附票の写しを持っていく方がいいでしょう。基本的にはほとんどのケースで住民票が使われるので、住民票をオススメします。

印鑑証明書

これは借地権の名義を失う方のものです。名義を失う方は、一応お金はもらっていることが多いものの、借地権を失うという点では「損をする」といえます。

このため「損をする方が、しっかり了承している」ことが必要になります。その了承の証明として実印を押し、その実印の効力を証明するために、印鑑証明書を提出するわけです。

借地権を「もらう側」の印鑑証明書は不要

新しく名義人となり「借地権を譲り受ける」側の印鑑証明書は要りません。この理由は上に書いたものと逆で「その人は、その手続きで得をする」からです。

損をする人に対しては「あなたはこれで損をするけどいいですか?」と、確認する必要があります。しかし、得する人にこのような確認は必要ありません。そのため、新しい名義人の印鑑証明書は不要となります。

印鑑証明書は3ヶ月以内に発行されたものを提出する

これは借地権の名義変更だけでなく、あらゆる手続きで共通するルールです。印鑑証明書には発行の日付が書かれていますが、これが3カ月以内のものにしましょう。

司法書士などに依頼せずに自分で名義変更の手続きをする場合、「一発合格」にならないことがよくあります。このため、印鑑証明書の期限がギリギリだと、次に提出するときに使えなくなることがあるのです。

このため、印鑑証明書を取り寄せてからは、できるだけ早く他の書類も揃えて、法務局に提出するようにしてください。司法書士などに依頼する場合は、迅速に一発合格にしてもらえるため、それほど焦る必要はありません。

固定資産評価証明書

これは「固定資産税評価額」がわかる書類です。固定資産税評価額は、簡単にいうと「国が決めた、その不動産の価値」です。

通常、これは名前通り「固定資産税の計算をするため」に使われます。この評価額に税率をかけて、固定資産税の金額を決めるわけです。

借地権の名義変更では、この固定資産税ではなく「登録免許税」の計算のために、この書類が必要になります。

登録免許税とは?

登録免許税は「登記の手数料」です。法務局のような役所に何かをしてもらおうと思うと、当然手数料がかかります。

借地権の名義変更も含め、不動産や法人のそうした手続きでは、手数料のことを「登録免許税」と呼ぶのです。

委任状(代理権限証書)

委任状は、下の双方が揃っている場合は不要なものです。

  • 新しい名義人
  • 前の名義人

両方が揃っていて、かつ手続きを司法書士などに頼まない、という場合には委任状は不要となります。

委任状が必要なケース

逆に必要なケースは下記の通りです。

  • 新旧どちらかの名義人がいない
  • 手続きを司法書士に任せる

2つ目の司法書士に任せるケースは、大抵「新旧両方の名義人がその場にいない」ケースです。両方いなければ委任状が必要になるのは当然ですが、片方だけの場合でも必要になります。

まとめ

家の模型と弁護士の手のイメージ

以上、借地権の名義変更について説明してきました。最後にポイントをまとめると、下のようになります。

借地権の名義変更・まとめ
  • 借地権の名義変更とは、基本的に「建物の名義変更」である
  • 稀に借地権が登記されていたら「借地権自体の名義変更」になる
  • 必要なケースは主に「相続・贈与・売買・財産分与」である
  • 相続の名義変更で、地主の承諾は不要(承諾料もいらない)
  • 贈与は、無償・格安で譲ること
  • 年間110万円までは贈与税も非課税になる
  • 110万円ずつ贈与していく方法を「暦年贈与」という

説明してきたポイントの中でも特に重要なのは家族に名義変更しただけでも贈与税がかかるという点でしょう。これを知らずに「生きているうちに」などと考えて名義変更をしてしまうと、贈与税によって痛い目に遭います。

このような失敗をしないよう、借地権の名義変更をする前に、贈与税や相続税のルールをよく理解するようにしましょう。

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