借地権の基礎知識

土地の借地料・4つの計算方法~公租公課倍率・積算・取引事例比較・収益分析~

土地の借地料の相場は、あなたが借り主でも地主でも気になるポイントでしょう。土地の借地料の相場について、最初に結論をまとめると下のようになります。

  • 明確な相場はない
  • しかし、主に使われる計算方法が4つある
  • 4つの計算方法や個別の事情を総合して、地代を決める

この記事では、上記の3点を中心に土地の借地料についてまとめていきます。これから土地を借りようとしている人、貸し出そうとしている人には、特に参考にしていただけるでしょう。

土地の借地料・4つの計算方法

電卓と家の模型

土地の借地料の計算方法は、主に下の4つの方法があります。

まず、それぞれの計算方法の違いを簡単に比較します。

4つの計算方法の比較

表でまとめると下の通りです。

公租公課倍率法 「固定資産税の3倍」など、税金に倍率を掛ける
積算法 「地主が出したい利益+コスト」で決める
取引事例比較法 周辺の借地の地代(わかる範囲)と比較する
収益分析法 「借主がその土地から出せる利益」を元に決める

以下、それぞれの計算方法を詳しく解説していきます。

公租公課倍率法

公租公課倍率法は「税金に一定の倍率を掛けて地代を決める」方法です。税金は主に固定資産税が用いられます。

「3倍」という数値はどこから来たのか

これは「過去の判例」です。1984年(昭和59年)6月20日の東京高裁で「公租公課の3倍を地代とする」という判決が出ました。

もちろん、これも「全国一律で3倍とすべきである」という内容ではありません。その訴訟では、周辺の土地が公租公課の3倍で貸し出されていました。そのため「この物権でも3倍にすべきである」と裁判官が判断したのです。

上記判例の出典

出典と該当部分の引用を示すと下の通りです。

近隣地代が公租公課の2倍ないし3倍を基準として決定されるのが一般である事実を認定し、この基準による方法、賃貸事例比較法、スライド方式等を併用した鑑定結果を考慮して、公租公課の約3倍を相当地代とした事例
判例タイムズ No.535・中段「東京高裁昭59.6.20判決」参照

太字部分を見ると、この事例で「公租公課の3倍が地代になった」ことがわかります。公租公課倍率法の「3倍」という数値は、この判例以降に広く共有されるようになったと、多くの専門家が指摘しています。

なお、この判例では引用文の通り「公租公課倍率法以外の方法も考慮」しています。あくまで「3倍という数字がどこから来たか」というデータだと思ってください(公租公課倍率法だけで決まった事例ではない、ということです)。

公租公課倍率法については下の記事でさらに詳しく解説しています。

積算法

積算法は「土地の値段に利回りを掛け、固定資産税をプラスする計算方法」です。「やたらと計算回数が多い」と思うかもしれませんが、それがまさに積算です。

積算には下のような意味があります。

  • 数を次々に加えて計算すること
  • 上の計算で合計した数値
  • 累計

「次々計算する」といっても、借地料の計算で積み重ねるものは限られています。積算法を計算式にすると下の通りです。

地代=更地価格×期待利回り+固定資産税

より簡単に書くと下の通りです。

地代=土地の値段×2%+固定資産税

地代・固定資産税のどちらも「年額」です。「更地価格=土地の値段」というのは、特に解説することがありません(単純にそういう言葉=更地価格で呼ばれているというだけです)。

期待利回りがなぜ2%なのか

これは「一般的な相場」です。必ずしも2%とは決まっていませんが、大体2%~3%が相場とされます。

東証・名証の一部上場企業である東建コーポレーションも、積算法の解説ページで「期待利回りは土地で2~3%、建物は8~12%が目安です」と書いています。

上の数値を見ると「土地の利回りは、建物と比較してかなり低い」と感じるかもしれません。その通りですが、代わりに土地は自然災害や火災などのリスクが限りなく小さくなります。土地の上に建物を建てるとそのリスクを負うので、その分リターンも大きくなるのです。

積算法での計算例

実際に積算法を使って、土地の借地料を計算してみましょう。計算の条件は下の通りです。

更地価格 1000万円
期待利回り 2%
固定資産税 15万円

これに先ほどの計算式を当てはめると、下のようになります。

  1. 地代=更地価格×期待利回り+固定資産税
  2. 地代=1000万円×2%+15万円
  3. 地代=20万円+15万円=35万円
  4. 地代=35万円

この地代は「年額」です。よって、この土地の借地料は「年間35万円」となります。

35万円は「利益」ではないので注意

あなたが地主の側だったら、この35万円は「利益」ではないことに注意してください。固定資産税という「コスト」を含んで35万円なので、実際の利益は20万円のみです(1000万円×2%の部分です)。

「1000万円の土地を1年貸して20万円の利益は安い」と思うかもしれません。しかし、借地のような安定的な投資で2%~3%というのは妥当です。株式投資でも「ほぼノーリスクで確実に期待できる利回り」は3%程度とされています。

そして、借地を借りた人はめったなことではそこをどきません。自宅を建てて住むにしても店舗を構えて営業するにしても、短くとも10年、長くて50年程度は借りることが多いものです。

これだけ長期間、貯金の利子のように安定して増えることを考えたら、2%という利回りはそれほど低くはないのです。

取引事例比較法

取引事例比較法は「周辺の取引事例と比較する方法」です。文字通りの内容です。

この方法のメリット・デメリットを整理すると下のようになります。

メリット 需要と供給に最も一致する価格(市場価格)を出せる
デメリット 周辺の取引事例が少ない場合がある

デメリットについては、特に「田舎」で顕著になります。これは実際に取引事例を調べてみるとわかります。

取引事例を集めるのが難しい

取引事例マップ画像引用元:不動産取引価格情報検索(国土交通省)

不動産の取引事例は、一部の情報を一般人でも見られるようになっています。上の画像の「不動産取引価格情報検索」というもので、過去5年までの取引事例を、エリア別・物件の種類別などで絞り込んで見られるようになっています。

2018年11月時点で「過去2年間のすべての事例」で「土地」に絞ると、都道府県ごとに下のような件数がヒットします。

(5年でなく2年なのは「全部見る」やり方だと2年までしかできないためです。3カ月単位の取引事例なら、5年前まで見ることができます)

北海道 10118件
東京都 9518件
愛知県 12508件
大阪府 6604件
福岡県 6935件

北海道や東京より愛知県が多いのは意外かもしれませんが、土地だけに絞ると、2年で大体このくらいの数の取引事例を見られます。一見多くあるようですが、これが田舎になると、突然少なくなります。

全国で一番取引事例の多い愛知県でも、豊根村は0件、東栄町は3件と、過疎地では取引事例がほとんどありません。また、同じ町内や村内に取引事例があっても「かなり距離が離れていて、立地も違い参考にならない」というケースも多いでしょう。

愛知だけでなく東京でも「利島村0件、青ヶ島村0件」など、離島になると取引事例がありません。北海道も「中別町0件、夕張市3件」となっています。夕張市は財政破綻をしたこともありますが、市になる自治体でもこのように取引事例が少ないケースもあるわけです。

このように、地方になると「事例を集めるのが難しい」というのが、取引事例比較法のデメリットです。

取引事例さえ集まれば、最も良い方法

上のように書いたものの、事例を集めることさえできれば、取引事例比較法は「相場を求める上でもっとも良い方法」といえます。理由は、そもそも相場とは「理論で決まるものではなく、実際の人々の取引によって決まるもの」だからです。

株価がいい例ですが、あれは理論で決まっているわけではありません。投資家の感情も含めた「実際の売買」で決まっています。

相場というと「正しい、一つの決まった価格」というイメージを持つ人もいるでしょう。しかし「株相場・為替相場」と聞いたら「揺れ動いて当たり前」と思うはずです。そして「その日のすべての売買で成立した価格には逆らえない」ということもわかるでしょう。

不動産の相場もそれと同じなのです。もし、その地域の「すべての取引事例」を集めたら、それがどれだけ異常な価格であろうと「少なくとも今は、その価格で取引するのが正しい」ということです(実際、バブル期はそれで取引が成立していたのです)。

「事例を集める難しさ」はあるものの、上記のような理由から「取引事例は、一番正しい市場価格を出せる方法」といえます。

あくまで「市場で正しい価格」であり、「理論的に見て正しい価格」とは限りません。バブル期の地価が「理論的に間違った価格」ですが、取引事例比較法ではその「間違った価格」を参考にするわけです(どれだけ参考にするかは、データを見る売主・買主・不動産鑑定士などの判断によります)。

「借地の事例」と「売買事例」はまた別

補足すると、上で紹介した一般人がアクセスできる情報「不動産取引価格情報検索」は、あくまで「売買価格」を示すものです。「土地の借地料がどんな相場で契約されたか」ということはわかりません。

これがわかるのは不動産会社だけです。そして、彼らも「全てのデータがわかる」わけではありません。

会社同士の横のつながりや、自社で蓄積されているデータベースなどで「一部の情報がわかる」のみです。特に個人間で契約された借地の取引事例などは、当然わかりません。

このため、土地の借地料を取引事例比較法で出すときも「完全なデータは揃わない」「他の計算方法も併用することになる」と考えてください。

収益分析法

収益分析法とは、下のような計算方法です。

その土地が生み出すと期待できる利益と、(地主側の)コストを計算して借地料を決める方法

ここでは「借地料」としましたが、部屋の賃料など別の代金を決めることもあります。何にしても「その土地やテナントを使って、借り手がどれだけ儲かるか」によって賃料を決めるということです。

  • 「ここでホテルをやったら、確実に毎月○○万円稼げるだろう」
  • 「だから、このくらいの地代は払ってくれ」
  • 「そうでなければ、他でホテルをやりたい会社に当たるだけだ」

上記は交渉の様子をイメージしたものですが、最後の「これで納得できないなら、他の会社に当たるだけ」というのがミソです。

収益分析法は、分析が正しければ他の会社と交渉できる

収益分析法は、周辺に取引事例があるわけでもなく、公租公課倍率法のように「国が決めた税額から計算する」というものでもありません。極めて「個別的・限定的」なものです。

地主側が出してきたシミュレーションを見て「いや、そんなに儲からないから、そんな地代は出せませんよ」ということもあるでしょう。その場合は、借り主側としては拒否すればいいだけです。

しかし、地主側はその計算が正しければ、借り主に拒否されても問題ありません。本当にそのくらいの収益が出るなら、他の会社がその土地を借りたがるでしょう。

別のやり方の収益分析法

ここまでは「借主の収益」をもとにした収益分析法を解説してきました。一般に収益分析法は、このやり方が用いられます。

しかし、これとは逆に「貸し主の収益」を元にする収益分析法も一部であります。東証1部上場企業の東建コーポレーションは、収益分析法の計算式を下のように書いています。

賃料=賃貸物件の年間予想収益+年間必要経費

参考記事では、上の式の前に「貸主が物件を賃貸することで、どれだけの収益を得られるかを算出して」と書かれています。つまり、上の式は「地主の予想利益+地主の必要経費」ということです。

このように、収益分析法では「すべて貸主側から計算する方法」もあります。

「積算法」との違いが、あまりない

上のような「貸主側」からのやり方は、先に紹介した積算法との違いがありません。細かい計算式は違いますが、本質的には同じです。

積算法 借地料=更地価格×期待利回り+固定資産税
(貸主側からの)収益分析法 借地料=年間予想収益+年間必要経費

一見すると大分違う計算式ですが、両方とも簡単にいうと下の式なのです。

地主の利益+地主のコスト

このため、「地主側から計算した収益分析法」は、積算法と同じだと考えるべきともいえます。計算式が違うため出る数値が違うという点では、別の計算方法の一つになることもあるでしょう。しかし、本質的な考え方は同じといえます。

収益分析法は地主側から計算してもいいが、他の計算方法では出せない数値を出したいなら「借り主側」から計算するべき。

「建物あり」での土地の借地料

お札の上にあるアパートの模型

借地契約では、借主が建物を建てることが多いものです。ここでは、その建物の種類別に借地料の特徴をまとめます。

以下、それぞれ詳しく説明します。

戸建用

特に多いのはこのパターンです。一戸建てのマイホームを建てたいけど土地がない、という時に借地を利用する人は多くいます。

戸建用の特徴を箇条書きにすると下の通りです。

  • 閑静な土地など、事業用とは違うタイプの土地が好まれる
  • 事業用と違い「赤字で撤退する」というパターンが少ない
  • 日当たりが良いことや、角地であることなどがプラスに働きやすい
  • 広い土地は分筆する必要がある

2つ目の「撤退」ですが、事業ではこれがしばしば起こります。しかし、個人の住宅ではあまり起きません。

個人の住宅も、破産すれば家を競売にかけるなどのケースがあるでしょう。しかし、身の回りでそのような話はあまり聞かないかと思います。

少なくとも事業の撤退に比べれば圧倒的に少ないでしょう。そのため、戸建ては事業用より「長く借りてもらいやすい」といえます。

「広い土地の分筆」について

個人の住宅の場合、基本的にそれほど広い土地は要りません。そのため、広い土地を貸し出そうとすると「この一部だけ貸してもらえないでしょうか」という話になりがちです。

これを実行するには「土地の分筆」が必要になります。ひとかたまりの広大な土地を、登記簿上で「別々の土地」にわけるわけです。

このデメリットは「土地が細切れになって価値が落ちる」ことにあります。「それでも十分なメリットがある」という案件ならいいですが、そうでなければ分筆は慎重にしましょう。

集合住宅(アパート・マンション)用

借地の上に建っているアパートやマンションも多くあります。このような集合住宅に土地を貸す場合、戸建て以上に安定した収入が見込めるでしょう。アパートはともかく、特にマンションなら「お金がなくなって撤退」ということは、個人の住宅以上に少ないためです。

収益分析法を応用しやすい

アパートやマンションは、特に収益分析法を応用しやすい利用用途です。借主本人が住む戸建てでは収益がありませんが、アパートやマンションなら収益があるためです(少なくとも、それを目的としています)。

「このくらいの利益が出るはず」ということも、銀行から融資を受ける時などに、借主が資料として提出しているはずです。それを見せてもらえば、お互い納得できる借地料を、収益分析法によって出せるでしょう。

店舗用

店舗用の特徴は、借地権で「事業用定期借地権」という種類を選べることです。

  • 定期借地権なので、期限が来たら更地にして返してもらえる
  • 最短期間が個人用の「50年以上」より短く「10年~50年未満」

上記の点が特徴です。

最短期間が短くなると、地主にとって何が良いのか

このメリットは「早く土地を返してもらえる」ということです。

  • 「今は使わない土地だから貸したい」
  • 「しかし、ずっと借りられると困る」
  • 「大体10年で一区切りにしたい」

このようなケースで「最短10年」から契約できる事業用定期借地権は、地主に有利な種類の借地権といえます。

期限が来たとき、お互いに継続したいということなら継続もできるので、その点も安心です。定期借地権は個人用でも事業用でも、地主に有利な借地権なのです。

高齢者向け集合住宅(老人ホーム)用

高齢者向けの集合住宅(老人ホーム・介護施設など)として貸し出す場合、特徴は「補助金が受けられる」という点です。補助金は時々の政府の方針によって変わるため、永続するものではありません。しかし、どの年度でも何らかの補助金は受けられる可能性があります。

デイケアセンターなど「通所型」の場合は立地条件が問われますが、「入居型」なら立地が悪くても自然環境がいいことなどが好まれます。このため、都市部でも郊外でも一定の需要があると考えていいでしょう。

「建物なし」での土地賃借料の相場・計算方法(用途別)

太陽光発電パネル

建物なしで土地を貸し出すこともあるでしょう。その場合の借地料の相場や計算方法を利用用途別にまとめると、下のようになります。

以下、それぞれ詳しく解説していきます。

借地料とは、借地借家法の対象になる「建物のあるケース」のみで使われる用語です。そのため、ここで書いている「借地料」という単語は、正確には「土地賃借料」と考えてください(土地賃借料だと長いので、借地料としています)。

太陽光発電用の土地は年間150円~220円/㎡

太陽光発電用の借地料の相場表画像引用元:平成27年度調達価格及び調達期間に関する意見(経済産業省)

太陽光発電用に土地を貸し出すときの借地料は、1平方メートルあたり「150円~220円」が相場です。これは経産省のデータ(上の画像)によってわかります。

最も多い価格が「1㎡あたり150円」である

先の表から「中央値」だけを書き出すと、下のようになります。中央値とは「平均値」ではなく「もっとも回答が多かった数値」です(つまり主流です)。

発電量 借地料(1㎡当たり)
10-50kW未満 155円
50-500kW未満 150円
500-1000kW未満 145円
1000kW以上 153円
全体 152円

借地料の幅は「145円~155円」となっています。そして、全体でも152円です。ここから、1つの相場として「150円/㎡」という金額を出せます。

平均値は「220円/㎡」である

中央値だけでなく「平均値」も見てみましょう。

発電量 借地料(1㎡当たり)
10-50kW未満 218円
50-500kW未満 195円
500-1000kW未満 190円
1000kW以上 242円
全体 219円

金額の幅は「190円~242円」となっています。この最高・最低の中間となる金額は「216円」です。

そして、全体の平均値も「219円」となっています。ここから、平均値は「大体220円」といえるでしょう。

この2つの相場を合わせて出したのが、見出しの「150~220円/㎡」という相場です。

太陽光発電の借地料の相場
  • 1㎡あたり、150~220円が相場(年間)
  • 経産省の2015年のデータなので、信頼性は高い

駐車場の借地料の相場

駐車場の借地料の相場は、主に下の2つの方法で出します。

最後の「不動産鑑定士に決めてもらう」以外の方法は、ここまで説明してきた通りの4つの方法です。このため、ここでは「不動産鑑定士に決めてもらう」方法について説明します。

不動産鑑定士に決めてもらう

駐車場の借地料に限らず、不動産鑑定士は「賃料の鑑定」もできます。もちろん、賃料は最終的に需要と供給で決まるものなので、不動産鑑定士が「この金額にしなさい」と決められるわけではありません。

ただ、不動産鑑定士は国家資格であり、国が貸し出す土地・借りる土地の地代も算定します。そのため、鑑定士が出した賃料にはある程度の説得力があるものです(これももちろん、鑑定士の実績・社会的信用によりますが)。

下の三井住友トラスト不動産の記事を読むと、駐車場も含めて不動産鑑定士があらゆる利用用途の賃料を算出していることがわかります。

駐車場の鑑定費用画像引用元:不動産評価と土地価格アドバイス(三井住友トラスト不動産)

あなたが借り主・地主のどちらであっても、駐車場の適正な地代で迷ったら「不動産鑑定士に算定を依頼する」というのもいいでしょう。

補足…「最有効使用」が駐車場かどうかも鑑定してもらうべき

鑑定で賃料を出すときは、基本的に「最有効使用」を判断します。Wikipediaの「最有効使用」のページでも「不動産の価格は、最有効使用をしたときの価格で決める」という内容を書いています。

最有効使用とは、文字通り「その土地の最も有効な使い方」のことです。自分では駐車場だと思っていても、もしかしたら「ビルの方がいい」ということもあるかもしれません。

不動産鑑定士に賃料の鑑定を依頼すると、大抵は「最有効使用」で出してくれるものです。しかし、地主が「ぜひ駐車場として使いたいので、駐車場としての賃料を出してほしい」と依頼したら、駐車場の賃料だけを出すこともあるでしょう。

自分では「駐車場が一番有効な使い道」と思っていても、鑑定を依頼するときは「最有効使用での地代を出してもらう」ようにしてください。

資材置き場の相場はケースバイケース

資材置き場として貸し出す場合、土地の借地料の相場はケースバイケースです。駐車場はある程度の収益計算ができるため「収益分析法」なども使えますが、資材置き場だと収益分析法は少々使いにくくなるでしょう。

(建設会社などの事業の一部で使われますが、直接売上に関わる使い方ではないためです)

このため、他の利用用途以上に「賃貸物件の情報」が参考になるといえます。「資材置き場」という利用用途が明記されている、下のような物件の情報をできるだけ集めましょう。

資材置き場の物件情報画像引用元:中城村登又の賃貸土地(グーホーム)

「資材置き場」と明記されている物件は貸し土地の中でも少ないものです。そのため、下のような行動が必要になります。

  • 地域にこだわらずに情報を集める
  • それぞれの物件の価値から計算して、相場の検討をつける

もちろん、この計算は素人が一人でするのには限界があります。地元の不動産会社や不動産鑑定士などにも相談するようにしましょう。

まとめ

以上、土地の借地料の4つの計算方法などを解説してきました。最後にポイントをまとめると、下のようになります。

土地の借地料・まとめ
  • 借地料の明確な相場はない
  • 主に4つの算定方法を用いる
  • 公租公課倍率法・積算法・取引事例比較法・収益分析法の4つ
  • 公租公課倍率法は「固定資産税の3倍」など一番簡単
  • 都心部など事例が多い場所では「取引事例比較法」が役立つ
  • アパートなどの収益物件なら「収益分析法」が役に立つ

借地は不動産のタイプの中でも特にトラブルが起きやすいものとされ、借地料をめぐる争いもしばしば見られます。後々トラブルにならないよう、契約段階でよく話し合い、情報収集を綿密にした上で、借地料を決定しましょう。